明るく、笑顔で。陽光浴びて、歩いていこう。

by kaseno-sanpo

色彩を持たない 多崎つくると、彼の巡礼の年

 ようやく読みました。
 一時は借りる寸前までいったのだが、他とかち合い、次に譲ってしまった。
 そして、たぶん秋ごろだろうと思っていたら、貸し出しが増えて一気になだれ込んできた。

 少しがっかり気味で読み進めたが、なんともいえないもの哀しさにとらわれていくのを感じた。
 そう、昔の春樹さんの流れなのだ。

 なんでもない僕の物語。ひどく何もかもを失くして、それでもいき続ける。
 何か、いや、誰かを手に入れるために。

 皆が容易く手にしているように見える幸せ。そこははるか遠くにかすんで見えていた。

 しかし、それはきっと誰もが感じる絶望や哀しみなのだ。

 もう終わりにしようとする人間がどれだけいるのだろう。

 この小説は、それほど売れるお話ではないのではないか。必要とする読者にだけそっと読まれるだけでもいいと思う。本当に普通の物語だからだ。
 
 けれど、忘れなれない物語でもある。読後、あれはどうだったんだっけ?とはならない。きちんと覚えている。そんな気がする。

 そして、泣くときもあれば、激しく勇気付けられるときもある。
 
 好きな人に、好きだと、きちんと告げるべきなのだ。然るべき時期に。僕は、そう学ぶ。

 結末はあらゆる希望と不安を抱かせる中、明確な答えはない。
 非常に気をもむ。
 だけど、そう悲観はしない。幸せを祈る。
 それが、生きるということだから。
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by kaseno-sanpo | 2013-07-11 22:28 | 思うこと